蒲田駅はどうか。こちらも、羽田空港へのアクセスを視野に入れた「蒲蒲(かまかま)線」の構想がある。
その歴史は古く、大田区が1987年に整備調査を始めている。東急多摩川線を東へ延伸し、京急蒲田駅を経て京急空港線へ乗り入れるという構想だ。
蒲田駅を通さず、東急多摩川線矢口渡駅から直接、京急空港線大鳥居駅へ接続する案や、京急蒲田駅付近に新駅(新蒲田駅または南蒲田駅)を設置して京急空港線に乗り入れる案などもある。新線の整備区間が短いため実現性が高そうに思えるのだが、実際には建物密集地域のため地下を通す必要があり、整備費が高額になる。
また、東急多摩川線からの直通列車を通すことによって京急各線の乗客が減少する可能性があり、鉄道事業者間の調整も難航している。多くの課題に直面し、なかなか進捗(しんちょく)していないのが実情である。
2015年3月の東京都の「中間まとめ」および「まとめ」では、蒲蒲線構想は羽田空港アクセス線の「整備について優先的に検討すべき路線」よりもワンランク下の「整備について検討すべき路線」にとどまった。実現可能性として、羽田空港アクセス線よりも低いということになる。副都心エリアを中心に広域をカバーする羽田空港アクセス線に比べて、蒲蒲線は開通によって恩恵を受ける人口が少ないためだ。
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