この2人の日本人メジャーリーガーには心の底から最敬礼したい。マイアミ・マーリンズのイチロー外野手とシカゴ・カブスの上原浩治投手に対してだ。
イチローは2017年10月で44歳を迎え、上原も今年4月の開幕時に42歳となった。40歳を超えても、なお一流メジャーリーガーとしてプレーできる2人の精神的な強さはどこにあるのだろうか。
まずイチローだ。6日(現地時間)のセントルイス・カージナルス戦で先発出場し、マルチ安打をマーク。この日でメジャー通算3054安打とし、歴代24位のロッド・カルー氏の記録を抜いた。それまで米国出身以外の選手としてメジャー史上1位の通算安打数記録も持っていたパナマ出身のカルー氏を抜き、ついに日本が誇るレジェンドが単独で史上1位に躍り出た。またメジャーリーグの球史にその名を刻むことになったのだ。
ただ今季はそれまでなかなか波に乗れず、打率も2割台に乗せるのがやっとの状態が続いていた。代打や守備固めなどで途中出場する機会が多く、その少ない打席数で結果を出すことはイチローのような天才プレーヤーとて容易ではないだろう。それでもドン・マッティングリー監督はイチローをこう評している。
「ベンチにいても、すべてが素晴らしい。いつどんな時に出場機会が訪れてもいいように最善の準備を整えている。そして出場すれば抜群の身体能力を発揮して全力でプレーする。とても40歳を過ぎているとは思えない。若い選手にとっても手本となる彼の存在そのものが、チーム全体の大きな財産になる」
今年で44歳を迎えるイチローにかつての全盛期のようなレベルのプレーを見せることは残念ながら難しい。迫り来る身体的な衰えに、向かい合っていかなければいけない。しかしすさまじい努力によって衰えを食い止め、これまで築き上げて蓄積してきた経験値によってカバーすることは可能かもしれない。イチローは今、そういう難しい状況に置かれながらもグラウンドで結果を出そうと毎日懸命に奮闘し続けている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング