サントリースピリッツは、メキシコ産の蒸留酒、テキーラの飲み方提案に力を入れる。9月26日に瓶容器のRTD(Ready to Drink)の新商品「サウザクーラー」を発売。テキーラベースのカクテルで、20〜30代前半の若年層を取り込む。テキーラといえば「ショットグラスで飲む」「飲みにくい」という印象が根強いが、日常的に飲みやすいイメージに転換し、市場活性化を狙う。
同社は2017年、テキーラの新しい楽しみ方を提案する取り組みを強化している。米ビームサントリー傘下のサウザ(メキシコ)の商品「サウザブルー」を使った提案を進める。サウザブルーは、テキーラの原料となる植物、ブルーアガベを100%使用しており、日本では14年から販売している。
取り組みの第1弾として、サウザブルーに果物や野菜を入れてソーダで割る飲み方「サウザファームサワー」の提案を1月から飲食店向けに始めた。トマトなどのカラフルな野菜や果物を入れた透明なボトルで提供されることから、見た目がかわいらしく、“SNS映え”すると女性に好評。17年計画で2000店舗の取り扱いを掲げていたが、6月末時点ですでに2050店舗で提供されている。
瓶容器の「サウザクーラー」投入はその取り組みの一環。ビームサントリーと共同開発した。サウザブルーをベースに、グレープフルーツ果汁、ライム果汁、塩などを加え、すっきりと飲みやすい味わいに仕上げた。テキーラベースのカクテル「マルガリータ」や「パロマ」の味わいも参考にしている。アルコール度数は、飲みやすさと味のバランスを重視して4%にしている。
容器を缶ではなく瓶にした理由は、瓶容器のRTDとテキーラに共通の飲用特性があるからだという。テキーラには、仲間と一緒に盛り上がるイメージがある。瓶RTDも、数人で集まって盛り上がるシーンで飲まれる傾向があることから、親和性が高いと判断した。
7月20日に開催した発表会で、ウイスキー・輸入酒部部長の尾崎大輔氏は「日本のテキーラ市場は、最大消費国の米国と比べて成熟していない。『テキーラってこんなに飲みやすいんだ』と感じ取ってもらって、活性化させたい」と話した。
家庭向けに広く量販店で販売するほか、業務用はクラブやカラオケ、バーなどの需要を見込む。
発売する9月から12月までの販売目標は15万ケース(1ケースは275ミリリットル入り24本換算)。2020年には年70万ケースの販売を目指す。希望小売価格は1本230円(税別)。
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