北陸新幹線の開業で大宮駅は埼玉県の中央駅としての地位をさらに固めることとなった。しばらく大宮駅がその地位を脅かされることはないだろう。現段階での“駅対決”は、大宮駅の圧勝という結論を下すほかはない。そもそも鉄道の街として成長を遂げてきた大宮の象徴的存在の大宮駅である。大宮は王座を明け渡すつもりは毛頭ないだろう。交通の要衝として多くの人々が行きかってきた大宮には、人を呼び込む懐の広い街の遺伝子が息づいているのだ。
一方で、浦和駅は文教都市という街のDNAが大宮とは違った街づくりを準備するだろう。
規模的拡大ばかりが注目される浦和駅だが、箱に入れる中身は大宮とはずいぶん異なるに違いない。従来の埼玉のイメージを払拭(ふっしょく)してくれるような駅の誕生を期待したい。個性が乏しいと言われて久しい埼玉県念願の政令指定都市さいたま市。その主要駅として、浦和駅、大宮駅ともに自らの個性を生かした駅づくりにまい進し、日本に誇るユニークな都市づくりに貢献してほしいものだ。
浦和レッズと大宮アルディージャが激戦を繰り広げる「さいたまダービー」は、サッカーファンなら誰もが知るところだろう。浦和レッズのホームグラウンド・埼玉スタジアム2002と大宮アルディージャのホームグラウンド・NACK5スタジアム大宮で行われる年2回の決戦は、さいたま市民を二分した応援合戦が繰り広げられ、大宮と浦和の意地と意地のぶつかり合い、浦和派と大宮派の代理戦争とも言われるものだ。J1優勝争いの常連・強豪の浦和レッズ、J2に落ちた経験をもつ大宮アルディージャとでは、歴史、実力、規模ともに格差は歴然としている。
しかしここ数年、大宮アルディージャが浦和レッズと互角の闘いをしているのだ。
浦和にだけは負けたくないという気持ちが選手の好プレーを呼ぶのかもしれない。とはいえ、そもそも大宮アルディージャの前身はNTT関東サッカー部として浦和で結成されたチームなのである。結局のところ、浦和と大宮は、お互いがあってこその存在なのである。
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