焼肉店が、かつてないペースで消えている。東京商工リサーチの調査によれば、2025年度の焼肉店倒産は57件と前年度比14.0%増で、2年連続の過去最多更新となった。
ところが同じ焼肉業界で「焼肉きんぐ」を運営する物語コーポレーションは真逆の決算を叩き出している。2026年6月期第3四半期までの累計は、売上高1121億円(前年同期比21.0%増)、営業利益91億円(同31.4%増)。通期では5期連続の最高益更新を見込んでいる。
業界全体が沈む中での「一人勝ち」は、なぜ起きているのか。決算情報とビジネスモデルを見ていこう。
焼肉店はつい数年前まで外食業界の“勝ち組”だった。高い換気能力がコロナ禍で強みとなり、ゼロゼロ融資などの支援も重なって、2020年度の倒産はわずか12件。2022年度まで20件を下回る小康状態が続いた。
潮目が変わったのはコスト上昇だ。米国の干ばつに起因する牛肉減産と円安が重なり、2025年初には米国産バラ肉(冷凍)の国内卸値が1キロ1250〜1350円と前年を3割上回る水準まで高騰した。これにより、焼肉チェーン同士の価格競争が激化した。
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