日本を引っ張るのは俺たちだ!:日本経済再成長のカギは地方にあり
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» 2017年08月18日 06時30分 UPDATE

野外に突如:ニセコに2夜限りの“幻のレストラン”が開店したわけ (4/5)

[伏見学,ITmedia]

決してコピペできない体験

 確かに、いくら同じ食材が手に入ったとしても、まったく同じものを再現するのは不可能かもしれない。しかし、DINING OUTでは必ず料理のレシピを地元に公開しているほか、イベントに携わるスタッフは基本的に地元のレストランなどで働く人々なので、彼らの経験や学んだことはそっくりそのまま地元に残るのだ。それがDINING OUTのコンセプトであり、地方の価値創造活動なのである。

 「世界のトップレベルのシェフたちと一緒に仕事ができるのは、その土地の人々にとって大きな財産になります。DINING OUTは地元にとっては1発だけの打ち上げ花火で終わりません。自分たちで何度でも再現できるのです」と大類氏は力を込める。

料理に合わせて提供されたワインもほとんどが北海道のワイナリーで作られたもの 料理に合わせて提供されたワインもほとんどが北海道のワイナリーで作られたもの

 大類氏は続ける。

 「仮に東京からスタッフを毎回連れて行けば、イベント運営はもっと楽にできますよ。ただ、それでは意味がありません。地元の人たちはスタッフとして参加するために自分たちの店を数日間閉めなくてはならないわけですが、それ以上に学びが多いと感じて参加してくれているのです。そのリスクを上回るメリットをわれわれは地元にお返しすべきでしょう」

 モノ消費よりもコト消費――。こう叫ばれるようになってしばらく経つが、実際、非日常的な経験や、2度と得られない体験に対して価値を見出す消費者は着実に増えている印象だ。

 そうした時代において、地方はもっと輝くはずだと大類氏は考える。

 「東京などの都会よりも、地方のほうが非日常感を味わうことができます。例えば、ニセコのDINING OUTの空間は絶対に東京では作れません。逆に東京では似たような体験がいつでもどこでもできてしまいます。良くも悪くもバックアップが取りやすい環境なのです。決してコピペできない体験ができるからこそ、地方には可能性があふれているのです」

 緑が鮮やかに映える夏のニセコ。これから先、その魅力を伝えていくのはほかでもない、この地に生きる人たちなのだ。

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