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» 2017年08月29日 08時00分 公開

スピン経済の歩き方:だから、なんども「炎上CM」がつくられていく (3/6)

[窪田順生,ITmedia]

「炎上CM」が量産される背景

 こういうコテコテの「男社会」で物事を決めようとなると、どうしても「おじさん」のセンスに引きずられるのは容易に想像できるだろう。それは「広告」という時代をつくりだす世界でも変わらない。

 クリエティブな才能をもったおじさんたちが、「最近は共感を得られるプロモーションがきてるんですよ」とか「答えを出さず投げかけるような動画がバズるんですよ」なんてもっともらしいことをプレゼンする。それをフムフムとうなずいて聞く、決裁権を握る大企業のおじさんたちが「こっちのほうが我が社のイメージに合うんじゃないか」とゴーを出す。

 こういう構造で生み出される広告やPR動画に、「女性」という視点をゴッソリ抜け落ちているのはある意味で当然ではないだろうか。

 つまり、「女性蔑視」など女性を不快にさせるような描写が問題になる「炎上CM」が量産されるのは、日本の「広告」というものにイニシアチブが「おじさん」に握られていることの副作用のようなもなのだ。

 なんてことを言うと、「男目線のCMばかりというが、最近は男が見ても不快に感じるものもるあるじゃないか」と反論をする方も多いかもしれない。

 確かに、最近話題になったP&Gの「ファブリーズMEN」のCMなど「男性に対する性差別だ」という批判がでるものも多い。イケメン男性がエレベーターに乗っていると、そこに女性たちの大群が乗り込んできて、イケメンのにおいをクンクンとかぎまくる。そして、「汗臭っ」「なんか酸っぱい」などと言い放つ、というスメルハラスメントを想起させるCMである。

 女性差別というCMが量産される一方で、このような男性をディスるようなCMもつくられる現象に釈然としない方も多いかもしれないが、筆者からすると、これこそが日本の広告が「おじさん社会」の産物だという証のような気がしている。

日本の広告ビジネスは「おじさん」が牛耳っている!? (写真はイメージです)

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