三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は9月1日、新規事業開発に向けたビジネス拠点「hoops link tokyo(フープス リンク トーキョー)」を東京・渋谷にオープンした。今後は国内外問わずさまざまな規模の外部企業からビジネスパーソンを招き、新規事業関連のセミナーやハッカソンなどを定期的に開催する。人脈を強化して有望なアイデアを持つ人材を見いだし、共同プロジェクトを設けて新たなビジネスの創出につなげる狙い。
新拠点が位置する渋谷区はベンチャー企業が多いことでも知られており、SMFGはベンチャー企業による新規事業の“飛び込み提案”も歓迎する方針だ。有望なビジネスパートナーが得られた場合、実証実験や研究開発の費用はSMFGが負担するという。
新規事業のテーマは「テクノロジーを活用し、社会課題の解決につながる新事業」。金融領域が中心だが、社会的意義があれば非金融領域にも積極的に取り組むとしている。
具体的には、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、仮想通貨の取引技術であるブロックチェーン、シェアリングエコノミーなどのテクノロジーを活用し、顧客のリスク管理や資産形成、インバウンド観光客の取り込みなどのビジネスの考案を目指す。
SMFGの太田純副社長は「近年、テクノロジーの発展が格段にスピードアップしており、銀行のビジネスやガバナンスに欠かせないものになっている。手をこまねいていると競合に取り残されてしまうと危機感を抱いていた」と明かす。
「しかし、銀行員だけではアイデアに限界がある。外部の方とディスカッションなどでお互いに刺激しあい、テクノロジーを生かしたビジネス変革『デジタルトランスフォーメーション(DX)』を進めていきたい」(太田副社長)という。
拠点名の「hoops link」には「通ると新しい世界が広がっている“輪っか”がつながり、新しいものを生みだしていく」という意味を込めたという。英語で「しまった!」を意味する「oops」も含まれており、「失敗を許容し、失敗を重ねる中で新しいビジネスアイデアを見つけたい」との意味もあるとしている。
SMFGは今後、新規事業開発に興味を持つ人材を集めるため、9月11日から「Executive Week」と題したオープン記念イベントを展開。コンサルティング企業などから有識者を招いたトークイベントを開催し、認知度の向上を図っていく。
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