中国の新サービス「シェアカー」を使ってみた山谷剛史のミライチャイナ(1/4 ページ)

» 2017年09月29日 07時00分 公開
[山谷剛史ITmedia]

 中国の多くの都市では、単一の色が目印になるシェアサイクルが走っている。オレンジ色のMobikeや黄色のofoが代表だ。Mobikeとofoはこれまで何度も巨額の投資を受け、その資金力をもとに展開地域を中国全土、約100都市にまで拡大してきた。さらにMobikeは福岡と札幌など、ofoは大阪など国外への進出もスタートした。

photo

シェアサイクルの次は「シェアカー」?

 中国で普及するシェアサイクルに続けとばかりに、「シェアモバイルバッテリー」や「シェア傘」など様々なシェアサービスが誕生した。IT桔子の調査によれば各種シェアサービスの中で、とりわけシェアカーに多額の投資が行われているという。

 シェアカーもシェアサイクル同様に数社が参入している。有名な企業では「EVCARD」「Gofun出行」「一度用車」「軽享出行」「即行car2go」などがある。特殊例だが、急坂だらけの内陸の都市、重慶は自転車に乗る習慣がもともとない土地のため、シェアサイクル企業が撤退しているが、シェアカーは重慶こそスタートアップにふさわしい土地とばかりに数社が参入している。

シェアカーを使って見る

 シェアカーの中でもGofun出行は1万2000台の専用車両を北京、上海、武漢、成都、南京など21都市に展開しているという。調査会社の易観国際(AnalysysInternational)によれば、GoFun出行は最も利用されているシェアカーサービスなのだとか。

 筆者の拠点である地方都市でGoFun出行を試してみたいと思い、運転免許証を持つ中国人の知人と使ってみることにした。

 GoFun出行以前に走っているシェアカーを見る頻度は大都市で1日数台見かければいいほうで、筆者のいる内陸の省都では、そもそも街中でシェアカーをみたことがない。シェアサイクル大手のofoやmobikeが人海戦術ばりに投下しているのに比べ、導入台数は余りに少なく、身近な存在とは言い難いのだ。

 最初に専用アプリのインストールから行う。中国のアプリのセオリーである、携帯電話番号による実名登録作業の後、免許証の写真をアップ。許可を得たら利用が可能になり、アプリを起動しマップを見て車両を探す。これは中国のシェアサイクルを利用する場合とだいたい同じ要領であり、MobikeやOfoのユーザーはそれほどひっかかることなく利用できるだろう。

 Gofun出行の場合、シェアカー専用車は決められた駐車場に止まっていて、ユーザーはアプリの地図上にプロットされている場所に行き、アプリで車のロックを開錠して乗車する仕組みだ。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.