中国の新サービス「シェアカー」を使ってみた山谷剛史のミライチャイナ(2/4 ページ)

» 2017年09月29日 07時00分 公開
[山谷剛史ITmedia]

 シェアサイクルのアプリを開けば、利用できる自転車が地図上に無数にプロットされているものだが、Gofun出行のアプリではデフォルトの縮尺では1台も見つからず、拡大してみると4キロ先に何台かあった、という状況。ちょっと歩いて車を借りるということはできず、気楽に使うというものではないようだ。

 アプリのマップ上に表示される、車の場所を示すアイコンをタップすると、メーカー名や車種、残り走行可能距離(電気自動車なので)などの車の詳細がわかる(みな「奇瑞」というメーカーの「EQ」という車種ではあったが)。残り走行可能距離はバッテリーの残量から計算しているのだろう。一番走れるもので150キロ程度だった。

 借りるためにはシェアサイクル同様に、阿里巴巴(Alibaba)系の支付宝(Alipay)ないしは騰訊(Tencent)の微信(WeChat)の一機能である微信支付(WeChatPay)のいずれかの電子決済を使い、アプリへデポジットのお金を払う(返金可能)。ただし自転車のそれが199元であるのに比べ、Gofun出行は699元と当然高くなる。

 利用を終える際は、街中の指定された数カ所の駐車場のいずれかの場所で駐車すればいい。シェアサイクルと異なる点として、指定駐車場に返却でもスタートと同じ駐車場に返却しない場合は利用料金に8元が加算される。つまりシェアサイクルのように「地下鉄の駅から自宅や学校や会社までちょっと移動する」という使い方をすると、8元余計にとられてしまうので損した気分になる人もいるだろう。

いざ走ってみると……

photo 複数のGoFun出行のシェアカーがあったのは大きな病院の駐車場だった

 筆者の場合、アプリ上で専用車があると示された最も近い場所は大きな病院の駐車場だった。そこは専用の駐車場ではなく、普通の車が多数駐車している中で専用車が混ざって駐車してあった。

 シェアサイクルでは自転車を手荒に扱うユーザーもいるが、車でそれをやられたらたまったものではない。車も自転車以上に良好な状態の車に乗りたい。その駐車場にやってきた他のGoFun出行のユーザーとおぼしき人は、まず各車の車体の状態を確認したうえで、気になった車のタイヤを蹴って空気の状態を確認していた。アプリでも利用の前段階として、前後左右から車を撮影し、車の状況を事前にGofun出行に送る。筆者が借りる車はすでに片側の扉が若干へこんだ後があったので後で余計な請求がこないよう丁寧に撮影をする。

photo 最初に見本にならって車の写真を撮る
photo 乗車前にキズの場所に特に気を付けて車体を撮影する

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