土肥: 映画『スター・ウォーズ』に登場するミレニアム・ファルコンをプラモデルとして発売したわけですが、ものすごく細かいところまで再現していますよね。撮影用モデルは1.7メートルあるわけですが、その情報量を全長482ミリのサイズに落とし込んでいる。「レプリカキットの決定版」といった声もあるのですが、そもそもミレニアム・ファルコンって設計図があるのでしょうか。
福地: いえ、ありません。さまざまな資料を分析して「ここはこうなっているのかあ」「あそこはこうか」といった感じで分かるところはそれで再現できるのですが、映画のなかで見えない部分があるんですよね。例えば、影になっていてよく分からないところがあるんです。そこで、どうしたか。撮影に使った本物のミレニアム・ファルコンが米国のルーカスに保存されていまして、分からない部分を解析するために現地に足を運びました。
実物に触れてはいけないので、ときに床に寝転んで撮影しました。よく分からなかったところも現物をみると「なるほど、そうなっていたのか」といった具合に、撮影は順調に進みました。4〜5時間撮影して「もう大丈夫。すべて撮った」と思って帰国して、解析を始めたところ、「あれ? この奥はどうなっているのかな?」とよく分からない部分がたくさんでてきたんですよ。例えば、側面の中にはいろいろなモノが入っているのですが、撮影した写真だとそれを再現することができないことが分かってきました。
米国で撮影したときには「もう大丈夫。すべて撮影した」と思っていたのに、不十分でして。通常のプラモデルであれば、側面の中にいろいろなディテールが入っていても、中に何も入れずに壁を設けて終わりといった形もできるのですが、今回のモデルはそういうわけにはいきません。「これまでにはなかった完璧のミレニアム・ファルコンを再現する」という目的があったので、2度目の機会を得て、再度現地に足を運びました。
細かいところが写るように、より高解像度のカメラを持参して、ライトを当てて、たくさん撮影しました。前回と同じように、ときに床に寝転びながら、360度どこから見ても細部が分かるように撮影しました。4〜5時間ほど撮影して、「今度は大丈夫」と確信して、帰国しました。
土肥: 撮影した写真をベースに設計図をつくっていく形なのでしょうか。
福地: その前に、ひとつひとつの部品を解析しなければいけません。ミレニアム・ファルコンは「考古学のようなモノ」とも言われていまして、部品は既存のプラモデルの一部を使っているんですよね。
土肥: ん? どういう意味でしょうか? プラモデルの一部を使っているって。
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