土肥: 固さはどのように調整しているのでしょうか。
福地: 素材を固くしているわけではありません。取り付け部にはピンと穴があって、緩いとグラグラしますよね。金型的に穴を小さくするのは難しいので、ピンを太くしていくんです。少しずつ調整していって、差し込むだけでピタッととまるところに修正しなければいけません。
なぜここまでこだわるのか。ユーザーがプラモデルをつくる楽しさを考えて、差し込むだけでピタッとはまるように修正しています。価格が高いからとか、ディテールがものすごいからといった理由ではなく、会社のポリシーでやっているんですよね。
土肥: 2017年に今回の作品が完成したわけですが、例えば10年前でも同じような商品をつくることはできたのでしょうか。
福地: 今回のミレニアム・ファルコンには新しい技術を使っていて、技術の集大成が詰め込まれているんですよね。ですので、10年前に同じモノをつくることはできません。パーツの設計や金型加工など技術的な側面をみても、昔は今ほど精度が高くなかったので、このような商品はできませんでした。例えば、配管。触っていただけますか。
土肥: 直径1〜2ミリほどのモノなので、触ると折れそうですよね。(恐る恐る触ってみると)あれ、ふにゃふにゃしていて、折れないですね。
福地: 昔に比べて材質の開発が進んでいて、折れにくいモノを使っているんです。また成型技術の進化によって、薄いモノ、細いモノがつくれるようになりました。このほかにもたくさんあって、金型の中に樹脂を流し込んだときに、両側から樹脂が流れてきてくっつくのですが、その際にそれぞれの先端が少し固まることがありました。しかし、いまはそれをコントロールして、両側からの樹脂がしっかりと混ざり合うようにしています。なぜコントロールしていると思いますか。
土肥: 小さな固まりができていたら見た目がイマイチですよね。カッコイイモノをつくろうと思ったら、あるよりもないほうがいい。
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