福地: おっしゃるとおりデザイン面でも固まりはないほうがいいのですが、それだけではありません。樹脂と樹脂がぶつかってできる塊の部分って冷えると弱くなるんですよね。強度が弱くなるので、固まりをなくしてコントロールするようにしました。
このほかにもさまざまな技術が進化しているんです。その昔、やわらかい素材は塗装することが難しかったのですが、いまは塗装できるようになっていたり。3DCADがない時代には平面上でしか設計できなかったのに、3DCADの導入によっていまは立体的にすることができ、さらに複雑な構造も取り入れることができるようになりました。
というわけで、10年前どころか、5年前でも同じようなモノをつくることは難しい。ただ、技術的な進歩があったので今回のミレニアム・ファルコンが完成したわけではありません。『スター・ウォーズ』が大好きなたくさんの人たちの協力がなければ、絶対に完成することはなかったです。妥協を許さない人たちと一緒につくった、集大成のような作品なんですよね。
土肥: なるほど。今後さらに技術がよくなると、もっともっと複雑なプラモデルもつくることができるようになるかもしれない?
福地: はい。技術革新に応じて、これまでにはなかったプラモデルをどんどんつくっていきたいですね。
(終わり)
本連載『水曜インタビュー劇場』のほかに、『スピン経済の歩き方』『長浜淳之介のトレンドアンテナ』など、人気連載を大幅に加筆して、1冊の本になりました。特別インタビューとして、『1行バカ売れ』の川上徹也氏、『新・観光立国論』のデービット・アトキンソン氏の声もご紹介。さらに、ITmedia ビジネスオンラインで掲載していない書き下ろしの記事も掲載しています。
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