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土肥: 開発するうえで、苦労されたことはなんでしょうか。現物を見る限り、細部にわたって再現されているので、どれもこれも大変だったと思うのですが、バンダイのプラモデルって基本的に接着剤を使わないですよね。穴に部品を差し込めば完成するといったスナップフィットの形なので、これだけパーツが多いとその工程も大変だったのではないでしょうか。
福地: 大変でした。他社のプラモデルは、穴に部品を差し込んで適度な固さを感じることができなければ、接着剤で固定させるんですよね。でも、バンダイは違う。はめ込みで完成させることができるように、精度を高めていきます。「ここは緩いよ。じゃあ、ここを修正しようか」と、この作業にものすごい労力がかかるんですよね。
土肥: これだけパーツが多ければ、つくっている途中で「ここはグラグラしているな」といったケースがたくさんあったのではないでしょうか。
福地: ありました。そのときには設計を見直すときもありますし、金型を調整するときもあります。
土肥: 設計や金型を調整することで、他のところに影響はでないのでしょうか。
福地: 基本的にはないですね。
土肥: どのくらい調整したのでしょうか。
福地: 全部ですね。
土肥: え、全部?
福地: ミレニアム・ファルコンは680パーツほどあるのですが、初期のテストサンプルは位置合わせのみで未調整なんですよ。あるパーツが他のパーツに干渉しないかどうかなどを検証するために、最初のモノはすべてグラグラなんです。また、精度のバラつきがどうしてもでてくるので、バラつきはどのくらいあるのかを検証するために、何度も抜き差ししなければいけません。そのためにも最初はわざとグラグラにしているんですよね。680パーツというと680カ所の調整と思われるかもしれませんが、1パーツにつき何カ所もあるので、ものすごい数の固さを調整しなければいけません。
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