またしても毒舌炎上 張本勲氏とイチローの「本当の関係」赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2017年12月14日 12時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

「上から目線」を貫く張本流の言い回し

イチロー論』(著、張本勲/青志社)

 乱暴な言葉を連発したことは確かに批判されて然るべきだ。だがこれも、よく考えてみれば常に「上から目線」を貫く張本流の独特の言い回し。とにかくいつも憎まれ口を叩く人なのだから、我々ももういちいち真に受けてカーッとなる必要はないのかもしれない。

 これだけ同番組内でイチローについて「上から目線」の姿勢を見せておきながらも張本氏は2009年に『イチロー論』(青志社)という著書を出版し、ちゃっかりと商売にまで手を出している。その著書の中では同年4月にイチローが張本氏自身の持っていた現役通算3085安打の日本記録を抜き去ったことを高く評価して褒め称え、「どうせならば今度はピート・ローズ氏の持つ通算4256安打のメジャー記録も更新してほしい」とまで密かにエールを送っていたほどだ。

 同年4月、記録更新時のタイミングを見計らいながら張本氏はTBSのクルーとともに米国へ渡って現地でシアトル・マリナーズ時代のイチロー本人と対面している。本拠地のセーフコ・フィールドで行われた4月15日のエンゼルス戦。ここで張本氏は威風堂々とするイチローの姿に驚かされ、それと同時にすっかり圧倒されてしまったそうだ。

 試合前チームの練習中、グラウンドでTBSの取材パスをぶら下げながら歩いていた張本氏の姿を見つけると、イチローは堂々としながら「これは、これは……。張さんじゃないですか」と自ら手を差し伸べ、がっちり握手。親と子ぐらいに年齢の離れている球界大物OBに対して臆することなく「張さん」と呼べる現役選手はきっとイチローぐらいしかいない。

 張本氏を前にしても平身低頭することなく胸を張っていたイチローはグラウンドでも堂々のプレーを見せた。7回一死満塁、この日の2安打目が右翼席のスタンドに飛び込むグランドスラム。このメモリアルアーチが張本氏の通算安打数に並ぶ日本タイ記録となった。翌16日のエンゼルス戦でも安打を放ち、ついに記録更新を成し遂げた。

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