前出の大谷選手とベーブ・ルースの二刀流の事例は同じようで全く違う。大谷選手は好きで取り組んでいるのであり、ベーブ・ルースはやむにやまれず取り組んだ。サラリーマンの副業に置き換えられないだろうか。後者は、功績を残しつつも、いかにも収入のため、生きていくためという理由を想起してしまう。
サラリーマンが副業をやる理由は多様であっていい。「全てはお小遣いのために」という副業について、否定するつもりはない。ただ、お金だけが目的ではなく、自分のためになる副業の方が楽しいことは言うまでもない。会社での仕事のように、やらざるを得ないものをすることはオススメしない。というか、イヤだろう。
「次のキャリアの予行演習型」「本業との相乗効果型」「異種格闘技戦型」の3つのタイプの副業をオススメしたい。「次のキャリアの予行演習型」は次にやりたいと思っていることの予行演習だ。つまり、やりたい仕事があったとして、それを試しにやってみるというものである。社会人インターンのようなものだとも言える。エア転職と言ってもいいだろう。
「本業との相乗効果型」は本業のスキル、ノウハウを生かしたものである。例えば、会社でSEO対策の仕事をしていて、その知識を生かし、アフィリエイトでもうけるなどである。「なんだ、結局アフィリエイターか。小銭稼ぎではないか」と捉える人もいるだろう。その指摘は間違っていないが、自分の知識・経験を生かして、磨きをかけるという意味はある。
「異種格闘技戦型」はまったくの新しいチャレンジだ。やっていなかったことに取り組んで、視野を広げたり、新しいスキルを身につけたりする。私は副業とはロックバンドのボーカルやギタリストのソロ活動だと解釈している。要するにバンドの枠内ではできないことにトライする、外部のミュージシャンとコラボする、創作意欲にふたをしない。この辺りがポイントだ。
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