「横綱、白鵬」を野放しにしてきた責任は誰にあるのか赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2017年12月22日 07時35分 公開
[臼北信行ITmedia]

再び「八百長」の三文字が話題に

白鵬のイメージ回復は難しい

 貴乃花親方は現役時代から“ガチンコ至上主義者”で、星勘定のやり取りが疑われるモンゴル人力士たちの集まりに弟子の貴乃岩が参加することを嫌がっていた。そういう内容の報道は、タブーに踏み込む複数の週刊誌媒体でも再三扱われている。事実かどうかは別にして、少なくとも6年前に発覚して大問題となった負の歴史を再び思い起こさせるような報道やネット上で鋭い嗅覚を持つユーザーたちがコメントすることなどにより、再び「八百長」の三文字が話題になっている。

 そうなると前人未到の幕内優勝40回を誇る白鵬に対しても、その疑惑が向けられるのは残念ながら自然の流れと言っていいかもしれない。ここ最近の白鵬バッシングに乗じて、世間の多くの人がこの金字塔にまでケチをつけている。白鵬のイメージは凋落の一途をたどり、今や底割れの状態だ。かつては「平成の大横綱」と賞賛された角界の第一人者が一転、現在は完全な「スーパーヒール」どころか「世紀の極悪人」にまでなり下がっている。

 正直に言って今後、白鵬のイメージ回復は極めて難しいと言わざるを得ない。ちなみにこれだけの猛バッシングを受けながらも白鵬は26日に発表される来年初場所の番付で先場所優勝の流れをくみ、東の正位に座ることが確実だ。いくら重い処分を下したとはいえ、その白鵬を協会は今後も看板の横綱として興行を打っていかなければいけないのだ。他の力士がどれだけ頑張ったとしても世間からの厳しい目もあって土俵上に微妙な空気が漂ってしまうのは避けられないであろう。

 ようやく周囲は事の重大さに気付いたのだろうか。協会の八角理事長は事件に関連して、暴力を防げなかったとして白鵬を名指しで強く非難。さらに横審の北村正任委員長は、かち上げや張り手などを多用する白鵬の粗暴な取り口にも「横綱相撲とは到底言えない」と苦言を呈した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.