あなたも「メール詐欺」に狙われているかもしれない世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

» 2017年12月28日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 最近、ビジネスメール詐欺(BEC)が話題になっている。

 2017年12月、日本航空が9月にBECでだまされて、約3億8000万円のリース代を偽取引先に支払ってしまっていたというニュースが大きく報じられた。横文字で「BEC」と言われると何か大層な事件のように聞こえるが、いわゆる振り込め詐欺のようなものだ。取引先を装った犯人からは、電話ではなく、電子メールで偽の送金依頼が来た、ということだ。

 ほとんどの企業がビジネスのコミュニケーションや発注をPCで行う、現代らしい犯罪だと言える。筆者は、日本でも大きな騒動になったランサムウェア(身代金要求型ウィルス)のほかに、BECも猛威を振るい、日本航空のような高額な被害のニュースがこれからさらに出てくるだろうと見ている。

 実は欧米に目をやると、BECは取引先を装うケースよりも、上司を装うパターンがよく知られている。日本でも上司を装った詐欺にあっているケースが多いと思うが、会社側が体面や株主を気にしたりして、被害がなかなか表に出てこないのが実情だろう。そして今後報告されないまま、その犯罪件数が激増する可能性がある。

 このBECのケースについて、エンジニアなどからいろいろと話を聞くと、実は意外なものが犯行に活用されていることが分かってきた。FacebookやTwitter、InstagramといったSNSである。SNSでアップされる情報が犯罪者にとって有益な情報になっている可能性があるのだ。

世間体を気にして、BECの被害はなかなか表に出ないかもしれない
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