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» 2018年01月19日 06時00分 公開

常見陽平のサラリーマン研究所:希望の部署に異動するための「異活」を始めよう (2/2)

[常見陽平,ITmedia]
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大企業の異動は「転職」に近い

 大きな企業で異動する場合、組織風土や業務内容が「転職」したのと同じくらい異なる。だから情報収集は大切だ。この情報収集は、新卒で入社した企業なら同期が役に立つ。別に異動の意志がなくても、普段から同期飲みで各部署の状況を聞いておくと良いだろう。

 また、各部署のエース社員が掲載されている「社内報」なども役に立つ。読むだけでなく、無邪気に「社内報で○○さんのご活躍を拝見しまして」と言ってランチに誘うのだ。そこで情報を仕入れよう。

 さらに調べておいた方が良いのは、その事業部に関する業界分析である。企業規模が大きいと、各部署が所属する業界がまるで違うということがあり得る。

 私の古巣であるバンダイを例に考えよう。「玩具メーカー」として認識されているが、事業領域ごとに業界内でのポジションやビジネスモデルも異なっている。

 例えば、男児玩具、女児玩具で業界内のシェアは違うし、プラモデルやコレクターズトイ(主に大人向けの高級玩具)は流通での展開の仕方も違う。特に玩具菓子などは、菓子であるが故に、食品流通を相手に展開しなければならない。課題も違えば、実際の業務もまるで違う。

 このように社内の異動は業界を超えた転職に近いものになることもある。同じ営業として異動したところで、動き方がまるで変わる。だから、業界研究が必要なのだ。

photo 情報収集や業界研究をして理想の異動先を見極めることが重要

異動を勝ち取るために

 さて、希望通りの異動を勝ち取るにはどうすればいいか。年に1〜2回、面談を通じて異動の希望を聞く制度がある企業や、社内公募制度がある企業もある。まずはこの手のオフィシャルな制度を活用しよう。

 もっとも、モノを言うのは異動先のキーマンが君を取りたいと思うかどうかだ。異動を勝ち取った者の中には、熱意をメールや面談で伝えた者など、この手の武勇伝はいくらでもある。

 私はサラリーマン時代、友人の結婚パーティーで、希望している異動先の担当役員に立ち話でアピールし、異動を勝ち取った。希望する異動先の責任者とカラオケボックスの廊下でばったり遭遇し、そこでアピールした者もいる。さらには、取引先のキーマンから会社に圧力をかけてもらったツワモノまでいる。

 ここまでしなくても、普段からのつながりを大切にしていれば良い。特に会社の運動会やレクリエーション、パーティーなどで他部署との接点を持っておくと、これがその後の異動につながることもある。

 というわけで、春は何かが始まる時期。異動を勝ち取る異活も選択肢に入れてみよう。

常見陽平のプロフィール:

 1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。

リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。


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