肩に乗せる形で使うスピーカーが人気を集めている。ソニーが昨年10月に発売した製品がテレビ番組で紹介されたのをきっかけに話題になり、ソニーは「生産が追い付かない」として注文受付を一時停止。オーディオメーカーのBOSE(ボーズ)も新製品の国内販売を近く始める。
“肩乗せスピーカー”は肩部分に搭載したスピーカーから高音質のサウンドを発する点が特徴。周囲に音が広がらないため、深夜でも音を出して映画やゲームを楽しんだり、家事をしながらテレビ番組のトークを聞いたり――といったことが可能となる。
ソニーが「ウェアラブルネックスピーカー」と名付けた「SRS-WS1」は、スピーカーの開口部から放射状に音が広がる構造を採用し、立体的なサウンドを楽しめる点が特徴。音に合わせて震える振動板も搭載しており、臨場感を高められる。テレビとの接続がメインで、専用の小型受信機を介して音声を伝える仕組みだ。
3月4日放送のバラエティー番組「アメトーーク!(テレビ朝日系)」の“家電芸人特集”で、タレントの土田晃之さんが同製品を紹介。自宅風のセット上でお笑い芸人やタレントが利便性と音質を体感し、驚く様子がお茶の間に届けられた。
すると、これをきっかけに売れ行きが急上昇。生産が注文に追い付かない事態となり、ソニーは「予想を大幅に上回るご注文を頂き、生産がご要望に追い付かない状況が続いております」との声明を発表。注文受け付けを停止する事態となった。
現在、ソニーの直販サイトやEC(インターネット通販)サイト「楽天市場」では取り扱いがない状態だ。実売価格は2万5000円前後だが、オークションサービス「ヤフオク!」や「Amazon.co.jp」では5万円台の値が付くこともある。
現在は「製品の増産を行い、注文受付の再開に向けて鋭意努めている段階」。ソニー広報・CSR部は「生産体制の具体的な増強内容や、受注の再開時期についてはコメントできない」としたが、「再開のめどが立ち次第公表する」(同)という。
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