NTTドコモの吉澤和弘社長は4月27日開いた決算会見で、海賊版サイトに対するブロッキングの実施を決めた件について報道陣からの質問に応じ、「コンテンツやインターネットのビジネスの発展を妨げている。見過ごすわけにはいかない」と強気の姿勢を示した。
ただ、ブロッキングの開始時期については「準備が整い次第」(吉澤社長、以下同)と明言を避けた。
政府が13日の「知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議」で、民間のインターネット接続業者(ISP)に「漫画村」などの海賊版サイトをブロッキングするよう促したことを踏まえた決定。ドコモのほか日本電信電話(NTT)、NTTコミュニケーションズ、NTTぷららのNTTグループ4社が同様の措置を取る。
吉澤社長は「ブロッキングを行うよう政府から(直接の)要請を受けたわけではなく、自社で決断した。13日以前は特に準備はしておらず、政府による発表後に実施を決めた」と経緯を話した。
ブロッキングは憲法が定めた「通信の秘密」などに反する――との指摘が出ていることについては、「通信の秘密と著作権の侵害のせめぎ合いで、さまざまな意見があることは承知している。速やかな立法化を求めたい」とコメント。
「政府決定に当たって、法務省・総務省も加わってさまざまな検討がなされたと聞いている。その情報も踏まえた上で、当社は(政府の)結論が妥当であると判断した。(政府決定が)法に触れるかどうかはコメントしない」とした。
現在、政府が名指ししたサイトのうち「漫画村」「AniTube!」は閲覧できない状態となり、代替サイトが作成されるなどの“いたちごっこ”が続いている(「MioMio」は継続中)。
こうした状況について吉澤社長は、「(海賊版サイトが)次にどんなアクションをしてくるかは分からないが、違法なコンテンツを提供してくることは確実。今後も考え方を変えるつもりはなく、違法なコンテンツそのものをブロックしていく」との考えを示した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング