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» 2018年05月25日 06時00分 公開

山谷剛史のミライチャイナ:上場果たした「ビリビリ動画」とは? 「日本アニメは中国で人気」の実際 (4/4)

[山谷剛史,ITmedia]
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ニッチになる? 日本製アニメのこれから

 熱心なファンがいるからこそ、ビリビリ主催で日本の声優を招待したイベントは盛り上がる。ただ日本のアニメがマイナーだとすると、メジャーに訴えていかなければならない。

 今季はビリビリで「魔法少女 俺」が字幕版配信に加え、中国語吹き替え版も実験的に登場した。声優の演技についても評価はいい。日本人からすれば中国で日本の声優ブームがあるようにも見えるが、今後は中国語の吹き替え版が増えていき、日本の声優ブームはより小さく、ニッチな趣味になっていく可能性がある。

 5月には、ビリビリが日本でコンテンツ制作に乗り出すべく、東京・人形町に制作スタジオを開設し、ビリビリオリジナルの作品を作ると発表した。スターティングメンバーとして、監督・アニメーター・制作進行、仕上、編集を募集し、年間3本のアニメ制作を目標に掲げている。

 ところで「極光大数据」による大学生のアプリ利用実態リポートによると、ビリビリのユーザーは「大学の中でも名のある一流大学」「北京・上海・広州・深センないしはこれに続く大都市」「2000年代生まれよりも1995〜99年生まれ」──で多い傾向がある。95〜99年生まれといえば現在19〜23歳。つまり、これより若い人は少しずつではあるが、日本製アニメを見る人の割合が減る傾向にある。

 中国では様々なジャンルのアニメが公開されているが、コアなファンは少なく、ゲームやドラマ視聴と同じようにスマホなどで消費している感がある。また上述の通り、中国で配信される日本の青年向けアニメはほぼ男性向けだ。今後、日本のアニメ人気は中国では縮小していくと考えられるが、ゼロに近づくとは考えづらい。たとえ政治的な理由でアクセスできなくなっても、規制の壁を越えてヘビーユーザーは日本のアニメを視聴し続けるだろう。

筆者プロフィール:山谷剛史

 フリーランスライター。一時期海外アジア経済情報を配信する「NNA」に在籍。 中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強く、連載記事執筆ほか、講演や メディア出演など行う。書籍では「中国のインターネット史 ワールドワイド ウェブからの独立」(星海社新書)、「新しい中国人〜ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)など。


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