こうして種がまかれ、芽を出してしまった企業不祥事に、肥料となり大きく育ててしまうのが、バッドニュース(都合の悪い情報)の後出しである。不祥事が起きたことと、それをどう外部に説明するかというリスクコミュニケーションは、別の問題と捉えて対応しなければならない。
『モンスターズ・ユニバーシティ』においても、サリーは「怖がらせマシーン」を不正操作してしまったことに加え、それを隠ぺいしてしまう。マイクはサリーの不正に気付かないまま、優勝して大喜びだ。
そしてその後、マイクが自ら「怖がらせ測定マシーン」に不正が施されていたことに気付き、自尊心をズタボロにされてしまうのである。これもある意味、「バッドニュースの後出し」といえよう。
米国企業は、バッドニュースの後出しを嫌う傾向が強く、不祥事が発生した場合には自ら積極的にすべての情報を開示しようとする。
これは後から不祥事が発覚した場合に、規制当局から数百億円規模の多額の罰金が科されたり、裁判で懲罰的な損害賠償が認められることがあるからだ。加えて、最初に正直に不正を告白した企業は、罰が減免されるという制度(リーニエンシー制度)が設計されていることも影響しているのかもしれない。
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