「こりゃ〜ファミリーマートじゃないなあ」
店内に足を踏み入れた初老の男性はそうつぶやいた。
ここは東京都立川市にあるファミリーマート立川南通り店。JR立川駅から徒歩10分の場所にある、駐車場を備えた一般的なロードサイド型の店舗だ。ファミマにドン・キホーテ独自の品ぞろえや売場づくりのノウハウを取り入れた実験店舗で、6月1日にリニューアルオープンした。
なぜ、男性客は冒頭のようにつぶやいたのか。それは、店内がこれまでのファミマとはまるで違ったものになったからだが、どんな“変身”を遂げたのだろうか?
オープン初日に記者が店舗を訪ね、見たこと、聞いたこと、感じたことをルポ形式でお届けする。
6月1日の午前9時。記者が店舗に到着すると、駐車場はマスコミ関係者やファミマ・ドンキの社員で埋め尽くされていた。数えてみると80人弱おり、この新型店舗に対するマスコミの注目度の高さと、両社の意気込みが伝わってくるようだった。
店舗の外観を見てまず気付いたのが、店外に棚があることだった。商品が乱雑に積まれており「ドンキ流」の派手なポップがついている。例えば、「ラバー歯ブラシ」(63円、税込、以下同)のポップには「ファミマのイチオシ!」という売り文句と、ドンキのプライベートブランド(PB)を示す「情熱価格」が併記されている。歯ブラシは棚からはみ出しそうなくらい盛られていたが、当日の強風にあおられて地面に何個か落ちてしまい、スタッフが慌てて拾っていた。
外に設置された棚には、歯ブラシ以外にも男性用シャツや靴下などさまざまな商品が並んでいたが、「鼻毛カッター」(540円)「スパイシーマサラカレー焼きそば」(86円)ヒョウ柄の「ボックスティッシュ」(214円)が印象的だった。
オープンを告知するポスターには「ドンキとコンビに!」と書かれてある。ファミマのキャッチコピーである「あなたと、コンビに、」とかけたシャレであることは明らかだ。
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