もちろん、彼がマフィアやギャングに関わっていた時代は、映画『ゴッドファーザー』の時代とは違う。それでも、世界を自由に行き来できるようになった現代に、マフィアの末裔として、各地の危険地域で破天荒に生きてきたという、その経歴は興味深い。
例えば、世界でも危険度の高い国であるパキスタンでは、PLO(パレスチナ解放機構)のメンバーに世話になったり、パキスタンの悪名高い諜報機関であるISI(軍統合情報局)に目を付けられて国外に逃れたり。またフィリピンのマニラでは、父親がレバノン人の武器商人とビジネスをし、ルチアーノ氏は米軍から手に入れた銃を売りさばくなど、羽振りの良い生活をしていたという。そんな中でフィリピンを訪れる日本の暴力団の幹部らとも親交を持つようになったと、ルチアーノ氏は本書の中で語っている。
また本書には、こんな話も登場する。マフィアの掟(おきて)についてだ。ルチアーノ氏がマフィアで教わったとする掟なのだが、いくつか紹介したい。
こう見ると、出産の部分は賛否あるだろうが、基本的には理不尽なことは言っていない。掟を破れば大変な結果が待ち受けるだろうが、当時も今も、マフィアも一般市民も、結局は異性とお金がトラブルのもとになるということだろう。血や「一家」を守ることが重要とされるマフィアが自分たちの「集団」を守るために培った知恵だといえる。
これらの掟を守れば、おそらく現代の私たちも仕事や家庭で大きな失敗をすることはなさそうだ。
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