本当にこのままでいいのか 日本版「フーリガン」の正体赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2018年06月29日 12時38分 公開
[臼北信行ITmedia]

「騒動師」たちの危険な集まり

 渋谷、そして道頓堀でもこんなフーリガンたちの騒動が深夜の3時過ぎまで続いた。この場で大騒ぎした人たちは決まって「皆で喜びを味わいたいから」とか「こんなときぐらい、無礼講でいいじゃないか」などと自分勝手な言い分を主張する。

 冗談ではない。騒ぎたいなら公共のスペースではなく、どこか法的に許される場所でやってくれ。ましてや渋谷のスクランブル交差点やセンター街付近でワーワーと騒ぎまくり、どうしてもその場を通行せざるを得なかった何の関係もない人たちをも巻き込み、邪魔をする暴挙にまで出ていた輩はもう犯罪に等しい行為を犯したと言い切っていいだろう。

 そんな連中に「日本代表こそ我々の誇りだ」「西野ジャパンは最高」などと叫ぶ資格はまったくない。現に日本の試合がある時間帯に渋谷や道頓堀近辺を「怖いから歩きたくない」と言って、その界隈を避ける人が続出しているという。身勝手なフーリガンたちは大勢の人たちに迷惑をかけていることなど知る由もあるまい。

サッカー日本代表が勝利するたびに、道頓堀の戎橋にも多くの人たちが集まる

 もちろん、全員がそうだとは言わないにしても、「やめろ」という呼びかけを無視して暴走行為を繰り返す集団の中には、実際のところサッカーのことすらよく知らない人も多いようだ。サムライブルーのレプリカユニホームを着用した女子学生が渋谷のスクランブル交差点でメディアの取材を受け、平然と「サッカーって何人でやるのか、よく知らないんですけど面白そうなので騒ぎたいからここに来てみました」とコメントしていた。

 笑うに笑えない話だ。これでは、もう単なる「騒動師」たちの危険な集まりである。取り返しのつかない事件や事故が起こってからでは遅い。

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