KDDIのスマホポータル「Syn.」、全サービス終了 「加盟企業のメリット考えた結果」“スマホ版ヤフー”になれず

» 2018年07月09日 20時24分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 KDDI傘下のSupershipは7月9日、異なる企業が運営するスマホ向けWebサービスやアプリ間の相互送客を図る構想「Syn.(シンドット)」に関する全サービスを終了した。KDDI主導で2014年10月に立ち上がり、ウェザーニューズ、ナターシャ、ナビタイムジャパンなど10社以上が「Syn.alliance(シンドット・アライアンス)」として参加。スマートフォン時代の“ポータルサイト”をつくるとしていたが、4年弱にわたる取り組みに幕を下ろした。

photo 「Syn.(シンドット)」に関する全サービスが終了

 設立当初、加盟企業が提供するサービスのMAU(月間ユニークユーザー数)は4100万に上り、“スマホ版のYahoo!JAPAN”になり得ると注目されていた。だがSupershipの親会社のSyn.ホールディングス(HD)は、終了時点のMAUについて「非公開」(広報担当者、以下同)と明言を避けた。

photo 「Syn.(シンドット)」構想の概要(=プレスリリースより)

5種類全てが終了

 今回終了したのは、(1)加盟企業のスマホ向けサービスに共通サイドメニューを設置し、ユーザーが行き来できるようにする「Syn.menu」、(2)同メニュー内に共通の広告を表示する「Syn.ad」、(3)加盟企業のサービスの新着情報を通知する「Syn.notification」、(4)ユーザーにおすすめのサービスをレコメンドする「Syn.extension」、(5)チャット形式でユーザーの質問に答える「Syn.search」――の5種類。

ALTALT 終了するサービスの詳細(=公式Webサイトより)
photo 共通サイドメニューを設置し、相互送客を図るとしていた(=プレスリリースより)

「加盟企業へのメリット考えた結果」

 Syn.HDは、サービス終了の理由を「加盟企業の皆さまにどうすればメリットを提供できるかを考えた結果、(内容などを)見直す必要があると判断して終了を決めた」と説明する。「ただ、『Syn.構想』『Syn.alliance』を廃止するつもりはない。今後も残していく」という。

 だが、同構想に関する後継サービスは「提供しない予定」。「これから加盟企業と話し合って今後の方針を決めたいが、結論が出る時期のめどは立っていない」としている。

photo 「Syn.alliance」設立当初の加盟企業(=プレスリリースより)

 一連のサービスを手掛けていたSupershipは今後、「以前から取り組んでいた、広告主向けのプラットフォーム事業などに注力する」という。

 KDDIは「サービス終了が当社の連結業績に与える影響は軽微だ」(広報部)としている。

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