土肥: 2018年3月、スーツみたいな作業着「ワークウェアスーツ」を発売したところ、売れに売れているそうですね。作業着なのにスーツに見える服ってありそうでなくて、自社で調べたところ「世界初」だそうで。マンションやビルの水道工事を行う会社なのに、なぜこのような商品を開発することになったのでしょうか?
中村: 会社の創立10周年を記念して、「職人のユニフォームをリニューアルしようよ」となりました。当時の作業着はブルゾンタイプで色はネイビー。ザ・作業着といった感じでどこにでもあるようなモノを着用していたのですが、オシャレでカッコイイ制服をつくることで、「働く意識を向上させることはできないか」「若者の採用につなげることはできないか」と考えました。
ただ、当社は作業着をつくったことはありません。なにから手をつけていったらいいのかよく分からかったので、とりあえず作業着のカタログを見ることに。何冊か見たものの、オシャレなモノはなかったんですよね。これまで着ていたザ・作業着ばかりで、既存のモノから選ぶことができませんでした。既製品でいいモノがなければ、「じゃあ、いっそのこと自分たちでつくろうか」となりました。
土肥: ふむふむ。
中村: 次に、アイデアを出していきました。ハーフパンツがいいのではないか、ストリート系のつなぎがいいのではないかなど。ああでもない、こうでもないと言いながら議論を重ねていったのですが、理想とするカッコイイ作業着にはたどり着けませんでした。このままではいけないということで、女性開発チームを立ち上げて、彼女たちが考えることに。そこでもさまざまなアイデアが出てきて、そのなかで「仕事が終わって、そのままの服装でデートに行ける。一緒に歩きたくなるようなモノはどうか」という意見がでました。
仕事が終わって、作業着のままでデートに行けるようなモノとは何か。デートをしている男性の服装を見ると、スーツやジャケットを着ている人が多い。「じゃあ、スーツはどうか」という話になって、つくってみることになりました。
なぜ伊藤忠は18年ぶりに「独身寮」を復活させたのか
「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
キリンの月額制ビールは大人気なのに、なぜ再開できないのか
700台のカメラを設置して、スーパーの「トライアル」は何を分析しているのか
6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由
えっ、CDプレーヤーが売れている? エスキュービズムの戦略が面白い
殻を捨てた「ザク」が、20万個以上売れている秘密
なぜ地図で「浅草寺」を真ん中にしてはいけないのか
売り場を減らしたのに、なぜ崎陽軒のシウマイはバカ売れしているのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング