ハワイ火山噴火、科学者が自然に挑む「決死の調査」意気地なしには務まらない(2/3 ページ)

» 2018年07月12日 16時30分 公開
[ロイター]
photo 7月8日、2番目に長い噴火を記録しているハワイ島キラウエア火山は、科学者に過去の噴火よりもはるかに優れた研究機会をもたらしており、「決死の調査」が続けられている。写真は夕暮れ時、キラウエアの「亀裂8」の火道を観測する地質学者。3日撮影。提供写真(2018年 ロイター/USGS/Handout via REUTERS)

<リスクの価値あり>

1983年から断続的に噴火を続けているキラウエアは、世界でもっとも注意深く観測されている火山の1つだ。主に山頂にあるハワイ火山観測所から行われていたが、今は閉鎖されている。直近の噴火はキラウエア火山による最大規模の噴火の1つであり、科学者にとっては思わぬ幸運となる可能性がある。

ボール氏とUSGSのチームは、地殻から溶け出す溶岩であるマグマが、亀裂を作り溶岩を噴出する前に、山腹の東リフトゾーン下部の地下にある火道をいかに通り抜けているかを研究している。

ビッグアイランドと呼ばれるハワイ島のコミュニティーを今後起きる噴火からより安全に守るための前兆を見つけ出そうと努力していると、ボール氏は言う。

「亀裂8」は、キラウエア火山に22ある亀裂の1つ。これら亀裂から噴き出た溶岩により、1000棟以上の建物が破壊され、2000人が避難を余儀なくされた。こうした事態により、キラウエア火山の噴火はまれに見る噴火だ、とボール氏は指摘する。

「地質学的な時間の尺度で言えば、キラウエアにとって当たり前でも、人の一生では一大事となる」

Copyright © Thomson Reuters