なぜネットには、他者の粗探しをしては口汚く罵る人が多いのか。よく耳にする理由として、「それだけ不幸な人が多い」というものがある。
ちょっと前、ネット上でさまざまな人々に対して誹謗中傷を繰り返したあげく、有名ブロガーを刺殺した「低脳先生」は42歳で無職だった。犯行声明のなかで自身のことを「ネット弁慶」と自嘲しているように、ネットでイキイキと他人を「低脳」呼ばわりしていた一方で、現実世界では幸せとは言い難い人生を送っていたのである。
親から暴力を受けて育った子どもが、大人になると我が子への暴力を振るってしまう事例が報告されていることからも分かるように、「ハラスメント」は連鎖する。それは「他者攻撃」も同様で、幹部から厳しい言葉でどう喝された中間管理職が、それに輪をかけた厳しい口調で部下を脅すように、行き場のない不満や怒りを抱えながらも、それを現実世界で発散することができない「不幸な人」が、心の均衡を保つため、有名人をサンドバック代わりにしているというのだ。
非常に納得感のある話だが、筆者にはもっと根本的かつ、大きな要因があると思っている。それは、一言で言ってしまうと「日本人の国民性」だ。
「不幸な人」だけにあてはまる話ではなく、もともと日本人というのは、よその国の人よりも嫉妬深いのである。つまり、他人の粗探しをしては、よってたかってボコボコに叩く、というネットでよく見かける人たちは、きわめて“日本人らしい日本人”と言えるのだ。
「ここまで読んだら不快になった、謝罪しろ!」「そんなに日本が嫌なら今すぐ日本から出ていけ!」といった怒りの声が飛んできそうだが、これはなにも筆者がフィーリングで述べたことではない。お札にもなっているほど、近代日本最大の啓蒙家がそうおっしゃっているのだ。
そう、福沢諭吉である。
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