「非正規社員の待遇改善」の手順を以下にまとめますのでご活用ください。
チェック項目(1)現状確認
(1)雇用形態ごとの規程類の比較
(2)労働条件・待遇差の比較
(3)職務内容・人材活用の仕組みの比較
解説/留意点
限定正社員や労働契約法18条による無期転換社員、定年後再雇用社員も含め、全雇用形態の就業規則や賃金規程を整理
チェック項目(2)労働条件・待遇差の理由整理
(1)基本給・各種手当・休暇や休職などの労働条件ごとに分類
(2)賃金・手当の趣旨や支給基準を確認
(3)上記(1)(2)における待遇差の理由・合理性を検討
解説/留意点
待遇差の説明義務を意識し、規定・実態に基づいて説明できる内容で整理
非正規社員に優遇されている措置・条件も併せて確認
チェック項目(3)労働条件・処遇の見直し
(1)非正規社員の労働条件変更
(2)正社員(比較対象社員)の労働条件変更
→変更のタイミング・方法を検討
→就業規則変更の場合は就業規則の不利益変更や労働契約書・労働協約との整合性も要確認
解説/留意点
職務内容や人材活用の仕組みの違いで説明できない待遇差は、処遇(労働条件)自体を見直すことも検討
有期雇用労働者の労働条件変更については、契約更新時に変更するか、更新時期に関わらず一斉に変更するかも検討
チェック項目(4)職務内容や人材活用の仕組み・運用の見直し
(1)職務内容の見直し
・業務の内容 ・責任の程度
(2)職務内容・人材活用の仕組み・運用の見直し
・職種変更 ・勤務地変更など
・役職や資格の変更 ・出向
解説/留意点
正社員に「担当させる仕事」に加え、非正規社員に「担当させない」仕事も明確化する
規定上の見直し(明確化)に加え、規定にのっとった運用を実施
チェック項目(5)派遣社員の場合
【派遣元】『派遣先均等・均衡方式』と『労使協定方式』の内容を確認し、両方式の選択を検討
【派遣元】派遣元が上記方式のどちらを採用するのかを確認
解説/留意点
派遣元、派遣会社内での正規・非正規の待遇差の問題に加え、派遣先との均等・均衡も検討する必要あり
派遣先との均衡・均等では、『派遣先均等・均衡方式』と『労使協定方式』のどちらを選択するかによって対応が大きく異なる(早期の検討が必要)。
高仲幸雄(たかなか ゆきお)
中山・男澤法律事務所パートナー弁護士
早稲田大学法学部卒業。2003年弁護士登録。現中山・男澤法律事務所所属。国士舘大学21世紀アジア学部非常勤講師。著者に『改訂版 有期労働契約 締結·更新·雇止めの実務と就業規則』(日本法令)、『異動・出向・組織再編 適正な対応と実務』(労務行政)など著書多数。
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