AI(人工知能)を活用した人事評価クラウドを運営するあしたのチーム(東京都中央区)は8月22日、中小企業の残業削減に関する調査結果を発表した。中小企業の4分の1では長時間残業が常態化しており、「働き方改革法」に抵触する恐れもあるという。
勤め先の企業で残業をしているかでは、全体の29.5%が「恒常的にしている」、43.5%が「時々している」と回答した。
残業時間については、月平均で「10〜20時間未満」「20〜30時間未満」が約半数を占めたものの、「30〜40時間未満」「40〜50時間未満」「60時間以上」働いている人も23.2%いた。現在国会審議中の「働き方改革法案」では残業時間上限を「月45時間以内、年360時間以内」としているが、この基準に抵触する恐れがある中小企業が4分の1もあることになる。
ただし、残業をただ削減するだけでは従業員の満足度向上にはつながらないことも分かった。
残業削減の取り組みの満足度では、「満足している」「やや満足している」と答えた経営者が9割近くだったのに対し、従業員では45%程度にとどまった。その理由には、残業代がなくなることによる収入減が多く挙げられた。
残業削減に伴う収入の変化を聞いたところ、実際に「収入が減った」と答えた人は29.4%と約3割いた。
人事評価において残業削減がどのように評価されるべきかでは、「残業時間に関わりなく生産性のみで評価されるべき」と考える人が67.6%に上った。残業時間を削減しても業務量や質が変わらないのであれば、その実績を人事評価に反映することを望む意見が多いことが分かった。
残業削減の取り組みを進めると同時に、実態に合った人事評価制度の見直しが企業の課題と言えそうだ。
調査は5月15〜18日に、従業員数10〜300人未満の会社の経営者と従業員(20〜69歳)200人を対象にインターネット上で実施した。
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