コンビニの一般的な店舗面積は50〜60坪(約165〜200平方メートル)が多いとされる。例えば、ローソンが公表している「出店ガイドライン」によると、「施設内店舗(テナント)」の店舗面積は40〜60坪前後、「郊外型店舗、路面店舗」の店舗面積は60坪となっている。同社の広報担当者も「50〜60坪が標準的な店舗面積と考えて問題ない」と語る。セブン-イレブンが公表している「出店ガイドライン」でも、「施設内標準型店舗」の面積を40〜60坪前後としているので、コンビニ業界全体の傾向と考えてよいだろう。
もちろん、小さな面積の店舗もある。ローソンの場合、商業ビルや病院といったところにある「施設内小型店舗(スモールテナント)」は標準的な店舗面積が20〜30坪となっている。さらに、駅ナカに出店しているコンビニに至っては店舗面積が10坪未満のところもある。
それでは、なぜ、コンビニの標準的な店舗面積は50〜60坪になっているのだろうか。ローソンで標準的な店舗フォーマットの設計や開発を担当している池田鋼一郎氏(商品本部店舗企画部部長)に話を聞いた。
まず、コンビニが本格的に普及し始めた40年前にさかのぼってみよう。当時、コンビニのメインターゲットは若者だった。コンビニは24時間営業という利便性が強みだった一方、スーパーに比べて品ぞろえが弱かった。
コンビニに若者を引き寄せるには「新商品を多く取りそろえて、目新しさを訴求する必要があった」(池田氏)。そこで、当時のコンビニがとった戦略は、1年間で8割以上の商品を入れ替えることだった。毎週のように新商品を店舗に届けることで、「コンビニに行けば新しい商品に出会える」とお客に思ってもらうようにしたのだ。
しかし、この戦略には欠点があった。棚に並んだ商品を売り切る前に新商品が店舗に届くと、古い商品を廃棄せざるを得なくなり、お店の利益率が下がってしまう。仕入れたものを返品することはできないため、商品を一定期間内に売り切る必要に迫られた。専門的な用語でいうと、廃棄ロスを減らし、「棚効率」(棚に並べた商品が一定期間でどのくらい売れたのかを示す指標)を上げる工夫が求められた。
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