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『情熱大陸』に出たい連中、痛くないか?常見陽平のサラリーマン研究所(4/4 ページ)

» 2018年09月07日 07時33分 公開
[常見陽平ITmedia]
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ドキュメンタリー出たい系は「不足」している

 ドキュメンタリー出たい系にとって、自分語りは得意技の1つであるはずなのに、それでも人生の棚卸はそれほど簡単な作業ではない。だから自叙伝などを読むと、エピソードが大げさに描かれたり、ドラッカーや松下幸之助などが言いそうな表現を乱発していたりするのである。要するに、ドキュメンタリー出たい系は情熱もネタも足りないのだ。

 というわけで、読者の周囲にドキュメンタリー出たい系がいたとしたら、笑顔で「○○さんが出演したらどんな番組になるんですかねえ」と聞いてみると言いだろう。この一言で、自分は番組に出る価値があるのかどうかを考え、今後の言動に異変が出てくるはずだ(そうあってほしい)。

 もし私が『情熱大陸』に出演することになったらどうなるのか。「常見の原稿はまだ届いていないのかっ!」とプンプンしている担当編集者の姿が描かれる一方で、自宅のソファでダラダラしながらビールを飲んでいる私のドアップが映し出されるのだろう。

常見陽平のプロフィール:

 1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。

リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。


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