採用した人材に対して「面接時のイメージと実際の働きぶりが違う」とギャップを感じたことがある人事担当者は50%――。人材会社ONE(東京都新宿区)の調査でこんな事実が分かった。信頼できると判断して採用した人材がすぐに退職してしまったり、活躍しなかったりするケースがあり、悩みのタネになっているという。
具体的な体験談は、「テキパキした人だと感じたが、入社後の仕事ぶりはマイペースだった」「誠実そうな印象だったが、実際はすぐに辞めてしまった」「物分かりのよさそうな人だと思っていたが、0から100まで説明が必要なタイプだった」などが出た。
ONEは「面接は、短時間で実施される上にお互いをよく見せようとしてしまうため、ギャップが生まれやすい」「いまの人事担当者には、優秀な人材よりも、長期間働いてくれる人材や自社に合う人材が求められている」と分析する。
一方、「面接の時とは違い、現場に配属するといい意味で明るかった」「この人は大丈夫だろうか、と心配していた人が勤続3年に達した」など、“うれしいギャップ”があったとの声も一部みられた。
では、ネガティブな方向のギャップを防ぐため、人材の本質を見抜くには、どうすればいいのか? 人事担当者に面接で取り入れている手法を聞いたところ、「自社のデメリットもきちんと伝える」「できるだけフランクに会話する」などの意見が出た。
具体的には、「残業についてなど、あえてネガティブな話題も出し、応募者の考え方や受け止め方を見る」「創業したばかりなので、研修が充実していないことなどを伝える」「なるべく長く面接し、人生観や私生活などを話してもらう」などが挙がった。
このほか、「性格検査」(34%)、「計算問題」(21%)、「一般常識」(16%)、「言語問題」(14%)――などを課している人事担当者もいた。
ONEは「短い時間で初めて会う人の本質を見抜くことは非常に難しいが、話す内容以外の情報を有効に活用できれば、まだまだ面接の精度を高められそうだ」としている。
調査は2018年6月26日〜8月6日にかけて、中小企業の人事担当者を対象にインターネット上で実施。106サンプルの有効回答を得た。
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