こうした価値観のもと、転職を常に視野に入れて働くことは、企業・人材の双方にとってプラスになるという。同書では「ベストの状態にある会社」とは、他に行き場のない人材が集まっている会社ではなく、「いつでも転職できるスキルのある人材が、あえて転職しないような会社」だと解説。
さらに、ビジネスパーソンが抱きがちな「自分がいなくなると、仕事が回らなくなる」などの概念は思い込みにすぎないと指摘している。
その上で、「いつでも辞められる」という覚悟と選択肢を持った上で会社と対等に接することが、個人の市場価値向上につながるほか、有能な人材に選ばれ続けるために企業が変わるきっかけになるという。
同書によると、こうした働き方を続けた上で、転職に踏み切るタイミングは「緊張と緩和のバランスが取れなくなったとき」。過度なプレッシャーにさらされ続けたり、緊張感のない仕事が続いたりし、困難に立ち向かうモチベーションが沸かなくなったときこそ動くべきだとしている。
その上で、転職後に「こんなはずじゃなかった……」とギャップに苦しむことを避けるためには、面接で(1)どんな人物を求めていて、どんな活躍をしているのか、(2)最も社内で活躍し、評価されているのはどんな人物か、(3)中途で入り、活躍している人はどんな業務を担っているか――などを質問し、自分が活躍できるイメージを持てた会社を選ぶべきだ説いている。
同書にはこのほか、企業選びのポイントや、転職エージェントの活用法など、転職活動で役に立つ実践的なフレームワークがまとめられている。転職すべきか悩んでいた主人公が下す決断など、ストーリーの結末にも注目だ。
転職を考えているが、一歩踏み出せないビジネスパーソンにとって、転職の理論と実践方法を同時に学べる同書はまさに必携の一冊だといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング