昨今、「若者の〇〇離れ」という言葉をよく耳にする。例えば、お酒やクルマなどがしばしば挙げられるが、観光業界でも若者の「旅行離れ」が問題視されている。
観光庁によると、20代の出国者(海外旅行者)数は減少傾向にあり、1996年から2014年にかけて4割以上も減っている。パスポートの取得率も1989年から2014年の間に2.7%減となった。
20代の国内旅行に関しても低迷していて、年間宿泊数が2009年には2.9日だったのに対し、14年は2.5日となっている。
別のデータを見てみよう。じゃらんリサーチセンターの宿泊旅行調査によると、05年と16年を比較して国内宿泊旅行を実施した20〜34歳の女性は6.4%減、男性は9.7%減だった。
「(若者の旅行離れについて)いろいろな説があるものの、明確な原因はよく分かっていない。しかしながら、ホテル業界が彼らのニーズに応えていない現状があるのではないか」と警鐘を鳴らすのが星野リゾートの星野佳路代表だ。
現在は訪日外国人(インバウンド)で観光業界は潤っているが、この需要が未来永劫、必ず続くとは断言できない。日本人の国内旅行が減り続ければ、当然のようにマーケットは縮小する。それを食い止めるには、若者の旅行需要を掘り起こすべきだと星野代表は主張する。
これまで同社は、日本旅館ブランド「界」で若者向けの宿泊プランなどを提供してきたが、さらに“若者シフト”を加速するため、20代にフォーカスした新施設「星野リゾート BEB 軽井沢」を19年2月5日に開業する。
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