厚生労働省はこのほど、労働基準関係法違反の疑いで送検された企業のリストを更新した。7月までの分として42社を追加した一方、厚労省が「掲載の必要性がなくなった」と判断した企業を削除し、掲載企業は427社となった。
同リストは、2017年5月に初公開。公表から1年がたったため現在は削除されているが、当初は電通本社やパナソニックなどの大企業が名を連ねる“ブラック企業リスト”として話題を呼んだ。
今回リスト入りした、飲食店運営のプレクラスニー(名古屋市)では、労働者18人に対して2カ月間の定期賃金計約850万円が未払いだった。
労務関連情報の専門紙「労働新聞」の報道によると、同社は名古屋市中区で「クラブ アベレージ」と称する熟女キャバクラを運営していたが、ホステスへの給与を支払わないまま、経営不振により閉店したという。給与体系は時給制で、歩合制度は取り入れていなかったとしている。
閉店後に元従業員から労働基準監督署に申告があり、事態が発覚。労基署は同社の倒産を認定し、ホステスらを「未払い賃金立替払制度」にて救済するとしている。
労働者を危険な環境下で作業させた企業も多くリスト入りしていた。
フィルターの製造を手掛ける東京濾器(横浜市)では、呼吸を保護する装具を使用させないまま、金属のアーク溶接をさせていた。ゴム製品製造の金陽社 滋賀工場(滋賀県野洲市)では、労働者に機械の刃部の掃除をさせる際、機械の運転を停止させていなかった。
産業廃棄物の処理業者、荒川(鹿児島市)では、ベルトコンベヤーの運転を停止しないまま、ローラー部分に挟まった金属片の除去作業を労働者にさせていた。建設業者の大辰建設(秋田市)では、安全策を講じないまま、高さ5メートルの場所で労働者を作業させていた。
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