ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」運営企業の社長である前澤友作氏が月旅行計画(厳密には月への周回軌道)を明らかにした。費用は公表されていないものの、数人で数百億円となる見込みだ。
宇宙開発はこれまで政府機関の独壇場だったが、近年、ベンチャー企業が多数参入し、著しい価格破壊が起きている。前澤氏が搭乗する宇宙船も著名なベンチャー企業が手掛けたものだが、こうした宇宙旅行の投資対効果はどの程度と考えればよいのだろうか。
前澤氏が搭乗するのは、著名起業家のイーロン・マスク氏が手掛ける宇宙ベンチャー、米SpaceXが開発する宇宙船である。同社は民間人を乗せて月に向かう計画を公表していたが、2018年9月17日、最初の乗客が前澤氏であることを記者団の前で公表。会場には前澤氏も現れ、英語で自身の気持ちをスピーチした。
SpaceXの宇宙船は、数人が乗船可能というが、前澤氏はすべてのシートを予約しているという。前澤氏はアートのコレクターとしても知られており、著名なアーティストを旅行に招待し、一緒に月に向かう計画だという。
この月旅行は早ければ23年にも実現するようだが、スケジュール通りには進まないとの見方も多い。
地球を周回する軌道であれば、民間人が宇宙に行った事例はすでに存在しており、技術的にもそれほど難しいことではなくなっている。だが、地球の周回軌道を離れ、月に向かうとなると話は変わってくる。
現在、SpaceXでは月の周回軌道に到達できる大型ロケットを開発中だが、民間人を月の周回軌道に投入するためには、極めて高い信頼性が要求されるのは間違いない。実験的な打ち上げも行われていない状況を考えると、5年で実現するのは確かに容易ではないだろう。マスク氏も「このプロジェクトを実現できるのかは、100%確実ではない」と説明している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング