10月11日の「ナショナル・カミングアウト・デー」に合わせ、LGBT問題に取り組む企業を表彰するイベントwork with Pride2018が都内で開かれた。「ナショナル・カミングアウト・デー」とは自らの性的指向や性自認を周囲に公にした人々を祝う日だ。
冒頭では、同性との交際をカミングアウトした経済評論家の勝間和代さんや、ゲイであることを公表した国文学研究資料館長のロバート・キャンベルさんが登壇した。
「私は10代くらいから自分がLGBTだと知っていましたが、打ち明けるたびにあまり良い思いをしてきませんでした。だから言わない方がいいのかなと思って抱え込んでしまったことがあります。
友人や職場にカミングアウトしても良いということになり、さまざまな配慮が生まれると分かっていれば、多くの人が勇気を持って発言すると思います。心理的安全性という言葉がありますが、自身のマイノリティー性を開示して最大のパフォーマンスを発揮できる職場を作ることができれば、その職場は本当に強くなると思います。
私はもともと女性差別の問題を研究してきましたが、世界的に見ても『女性活躍』ができた企業は業績が良いということが研究上分かっています。病気や障がいなども含めれば、全ての属性でマジョリティーである人は1人もいません。自分がマジョリティーではないということを公開したときに、職場や社会で攻撃をされてしまうと、誰も公開しなくなります。そうするとマジョリティーに偽装しようとします。『マジョリティーへの偽装をしなくてもいい社会』を皆さんと一緒に作りあげていきたいと思います」(勝間和代さん)
「セクシュアル・マイノリティーにはアドバンテージもあります。小さい頃から直面してきた学校や家族からの抑圧に耐えてきているので、『空気を読む』といったコミュニケーション能力の高さがLGBTに共通する力かもしれません。企業はLGBTの人たちが働きやすい職場を作ることで、有能な人材の流出を防ぐこともできるでしょうし、LGBT以外の人に安定感を与えるなど、企業にとって直接プラスの影響を与えられるでしょう。
人材を豊かに育てていくこと、一人ひとりが100%のポテンシャルを発揮できる環境を作ることができれば、日本経済にも大きな貢献をすることができる」(ロバート・キャンベルさん)
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