コラム
» 2018年10月16日 14時10分 公開

体調不良の心配も:居眠りを繰り返す社員は「減給処分」にできる? 弁護士に聞いてみた

[アシロ]
株式会社アシロ

Q.睡眠を繰り返す社員に寝ている時間分減給したい……それは可能?

 昼食を取ったあとは、人間誰しも眠くなるもの。暇な職場では、ウトウトとしている社員を見かけることもあります。なかには、ずっと寝ている社員もいたり……。

 経営者としては、寝ている時間については、給与を支払いたくないと思うのは当然のこと。「ノーワーク・ノーペイ」の観点のもと、居眠りをした時間分の給与を、よく寝る社員の月給から減らすことはできないのでしょうか? 笠原総合法律事務所の生田康介弁護士に見解を聞きました。

photo 居眠りを繰り返す社員は「減給処分」にできる?

A.場合によっては可能です

生田弁護士: 居眠りしている時間が極めて長く、それを繰り返すなどして業務に支障を与えるような場合には、「ノーワーク・ノーペイの原則」が適用され、欠勤控除を検討する余地はあると思われます。ただし、欠勤控除の計算方法は、あらかじめ就業規則等に規定しておく必要がありますし、居眠りしていた時間をきちんと証明できる資料を作成しておくことが不可欠です。

 次に、欠勤控除とは別に、懲戒処分を検討することができるかどうかですが、就業規則などに、懲戒事由として「居眠りをした場合」という規定がなくても、「従業員として適正を欠く行為に及んだ場合」などの一般条項に該当するとして処分することはありえます。

 ただし、懲戒処分の前提として、処分以前に何度か注意を行い、本人の弁明を聞くという適正な手続きを経ることが不可欠です。また、居眠りは過失行為ですから、戒告などの軽い処分にせざるを得ないでしょう。そうでなければ、懲戒権の乱用と言われかねません。

 このほか、人事考課のシステムがあれば、勤務中の居眠りはその人の評価を下げる理由になり得ます。その場合、賞与の額の決定、さらには昇進・昇級なども面において本人に不利益に作用することになるでしょう。

体調不良のサインかも?

生田弁護士: なお、「居眠り」を好んでする社員はいないはずで、長時間労働や職場環境の問題がある、本人に何らかの精神的・身体的疾患が生じているなど、何らかのサインである可能性があります。

 使用者側もその背景を把握する努力をすべきで、これを怠ると、職場の安全配慮義務違反や、その他の不当労働行為を指摘されることになりかねません。ただ注意するだけではなく、折を見て本人や周囲からよく事情を聞くなどの対応が必要だと思います。

(株式会社アシロ「シェアしたくなる法律事務所」編集部)

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