土肥: 発売当初、いくらくらいで販売していたのでしょうか?
前田: 380〜480万円ですね。いまの金額に換算すると、2000〜2500万円ほどになる。立地や広さなどを考えれば、「安い」と感じる人が多かったかもしれません。実際、物件を購入した人の7割は、サラリーマンだったので。
土肥: いまはコンシュルジュがいませんよね。洗濯はどうやっているのでしょうか?
前田: 多くの人がコインランドリーを利用しています。最近は洗濯代行サービスを利用する人が増えてきました。カプセルの前などに洗濯物を置いて、業者がそれを回収する。きれいに洗濯してくれて、後日届けてくれるといったサービスですね。自分の部屋で洗濯をしたいという人は、浴槽の中に洗濯機を置いているケースも。この建物はお湯が出ないので、シャワーを使うことができませんからね。
土肥: えっ、お湯が出ない? それはまた不便。
前田: 共有部に設置しているシャワーを利用する人もいれば、銭湯に行く人もいれば、スポーツジムのシャワーを利用する人もいる。以前は地下にあるボイラーでお湯を沸かしていたのですが、6年ほど前に給湯管が破裂してお湯が出なくなりました。住人の中には電気給湯器を設置して、自分の部屋でシャワーを浴びる人もいます。
土肥: 電気は大丈夫なのですか?
前田: 問題ないです。以前、エアコンはオリジナルのモノが設置されていたのですが、いまは修理することができなくて。現在、ほとんどの人が家庭用のエアコンを設置しているんですよね。丸い窓は開かないので、エアコンがなければ夏と冬は大変なことになってしまうので。
土肥: カプセルのナカにある家電はいかがでしょうか?
前田: テレビはブラウン管なので、見ることができません。オープンリールは使えるところがひょっとしたらあるかもしれません。ラジオは使えるところが多いですね。ただ、電源を入れてもすぐに聞くことができず、音質もちょっと……といった感じ。時計も動くのですが、音がうるさいので使っている人は少ないはず。電話は契約をすれば使えるんですよね。ただ、固定電話を使っている人は少ないのではないでしょうか。ここまで話をして、もうお気付きかもしれませんが、ここにある家電はスマホ一台で対応できるんですよね。
土肥: おお、確かに。
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