今後は従来の方針を変更し、新規のM&Aをいったん凍結。業績改善が見込める傘下企業の構造改革に注力する。本業とのシナジーが見込めず、短期的な投資回収・収益改善が見込めない企業は売却する。現時点では、アミューズメント施設運営のSDエンターテインメントを売却する方向で基本合意しているという。
「これまでは経営再建が完了する前に新規M&Aを行っていたが、これからは既存事業の改善が見えるまで再建に集中する」(瀬戸社長)
一連の問題により、19年3月期通期では、再建の遅れによる影響額として71億6000万円、構造改革関連費用として83億5000万円、新規M&Aの凍結による影響額として103億6000万円、その他影響額として4億3000万円――の各種損失が発生する見込み。
これを踏まえ、同社は19年3月期の通期業績予想を下方修正。売上高は前回予想から191億円減の2309億円、営業損益は263億円減となる33億円の赤字、純損益は229億4000万円減となる70億円の赤字を見込む。
従来は5.73円を予定していた期末一括配当も見送り、今期は無配とする。
業績回復に向け、当面はボディーメークのほか、「RIZAP GOLF」「RIZAP ENGLISH」「RIZAP WOMAN」といった比較的好調な既存事業に経営資源を集中する。
また、瀬戸社長は18年4月〜19年3月分の役員報酬の全額を自主返上する。その後も、連結営業利益が下方修正前の業績予想額である230億円を超えるまでは自主返上を続ける方針。
瀬戸社長は「早期に不採算事業から撤退し、潜在的なリスクを一掃する。短期的には(ステークホルダーに)ご迷惑をお掛けするが、下半期・来期に向け、信頼を一つ一つ取り戻すしかないと覚悟を決めている。大きな株価の下落も招いているが、それも私の責任。向き合って改善していきたい」と話した。
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