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「経営のカリスマ」カルビー松本会長に聞く、RIZAPにコミットする理由「プロ経営者」インタビュー【特別編】(1/3 ページ)

» 2018年06月06日 07時00分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 日本を代表する経営者として知られる、カルビー会長 兼 CEO(最高経営責任者)の松本晃氏。松本氏は2009年にカルビーに加わり、11年3月に東証1部に上場させると、以降9期連続で増収増益に導いた手腕で知られる。

 「一区切りついた」との理由で、18年3月に同社を去ることを発表していた松本氏が新天地に選んだのは、「結果にコミットする」のキャッチフレーズで知られるRIZAPグループ(以下「RIZAP」)だ。

 RIZAPは主力のボディーメーク事業が人気を集めているほか、M&A(企業の合併・買収)を積極的に推進。18年3月期の連結業績は、売上高が1362億円(前年同期比42.9%増)、営業利益が135億9000万円(33.1%増)、最終利益が92億5000万円(20.5%増)と大きく伸びた。

photo カルビー会長 兼 CEO(最高経営責任者)の松本晃氏

 RIZAPは中期経営計画「COMMIT 2020」を掲げ、21年3月期に売上高3000億円、営業利益350億円を目指している。達成に力を貸す松本氏は、6月20日に開かれるカルビーの株主総会で正式に退任し、休む間もなく6月24日にRIZAPの代表取締役COO(最高執行責任者)に着任する予定だ。

 松本氏はなぜ、カルビーを去ることを決めたのか。RIZAPでどんな役割を果たすのか。ITmedia ビジネスオンラインの取材に応じ、自身の考えを語った。

RIZAP瀬戸社長を超一流の経営者にしたい

――多数の企業からオファーがあったと思われますが、なぜRIZAPを選んだのですか。

松本氏: RIZAPの瀬戸健社長の人柄に引かれ、この青年を超一流の経営者にしたいと感じたためだ。多岐にわたる企業を次々とグループに入れて、さらに成長しようという瀬戸社長の意欲を魅力的に感じた。

 これまで私の本業はヘルスケアだったが、以前と全く同じ仕事はしたくなかった。ヘルスケアビジネスは、病気の人を健康にする仕事だ。一方、RIZAPが手掛けているビジネスは、健康な人をもっと健康にする仕事。両者は似て非なるものなので、やりがいのある新しいチャレンジだと考えている。

――瀬戸社長のどのような部分に引かれたのでしょうか。

松本氏: 彼はいつも明るく、うそをつかない性格で、感心することばかり。私の息子と同じ40歳で、愛着がわいたというのもある。私が経営者の端くれになったのは39歳だが、それに比べると、この年齢で社長をしているのは大したものだ。

 彼は人から好かれる天性の才能があるのだろう。私がRIZAP入りを発表してから、私の決断を支持する連絡や瀬戸社長の人柄を称賛する連絡をくれる人は多かったが、悪く言う人は誰もいなかった。

 ただ、米国や中国などの海外に目を向けると、40歳前後で経営者として成功している人は多い。瀬戸社長はさらに成長し、停滞した日本をこれから引っ張ってほしい。

「退任」ではなく「卒業」

――松本会長はこれまで、伊藤忠、ジョンソン・エンド・ジョンソン、カルビーなどの企業を渡り歩いてきました。キャリアを変えるタイミングはどうやって判断していますか。

松本氏: 学校と同じだ。小学校は6年、中高は3年ずつ、大学は4年――。どんな物事にも終わりはある。ビジネスの世界でも、ある程度の年数がたったら「卒業」するというイメージでやってきた。これまでの企業を辞めた際、実は私は「退任」という言葉を使っていない。

 カルビーの9年間は長く、いつ卒業しようか迷っていた。1年間“留年”したようなものだと思っている。

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