広島でヒーローだった丸は、巨人でも活躍できるのか赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2018年12月07日 07時35分 公開
[臼北信行ITmedia]

温室で育った丸は、活躍できるのか

 ネット上では、丸に対しての激しい批判が沈静化していない。その一方で、「いや、丸はカープのためにこれまでよくやってくれたから素直にありがとうと言うべきだ」「功労者を快く送り出すべきで、バッシングするやつは心が狭い」などといった穏健派のコメントも散見されるが、こういうトーンの書き込みはほんのわずかだ。

 おそらく丸は生まれて初めて味わう「ヒールの心境」に、直面しているはずである。これまでカープ一筋だったことで、メディアは言わば“オール与党”。広島・松田元オーナーにニラまれれば出入り禁止の処置が即座に下される可能性が高い背景があることから、各メディアの番記者たちはカープへの批判的な記事をほとんど書けない現状がある。この恩恵にあずかる形で丸はこれまでメディアからのバッシングを浴びることなく、ぬくぬくと温室育ちの中で急成長を遂げてきた。

 念のために断っておくが、別にカープの環境が「緩い」と言っているわけではない。カープの練習量が12球団の中でも1、2を争うほど厳しいことぐらい、球界に携わる人間ならば百も承知だ。あくまでも対メディアの面で、広島は巨人と比較して「緩い」というより、「恵まれている」という意味である。

カープで育った丸は、在京メディアの攻撃に耐えられるのか(写真提供:ゲッティイメージズ)

 そりゃあ、そうだろう。これまでは少々打てなくても、ミスをしても、ブッ叩かれることはほとんどなかったからだ。だが、さまざまな意味で衆人環視のもとにさらされる巨人ではそうもいかなくなる。

 そういう“オール与党”の中でプレーし続けていた丸が、いきなり自分の一挙一動に全国レベルで注目され、活躍できなければ即座に手のひら返しで叩かれまくるジャイアンツで、今までのような好成績を残すことが果たしてできるのか。事情通は次のように解説する。

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