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AKB48・岡田奈々のプレゼン術 あの名言はいかにして生まれたかアイドルというキャリア(4/5 ページ)

» 2018年12月07日 06時30分 公開
[伏見学ITmedia]

 一言一句シナリオを考えていても、プレゼンテーションの現場で視界に飛び込んできた光景や、耳に入ってくる音などで気持ちがたかぶり、まったく想定しないことを口にしてしまうこともある。これは誰しもが経験のあることだろう。

 しかし、岡田さんの場合、頭が真っ白になって自分でもわけもわからないことを言ってしまうことはない。常に自分のスタンスを崩さず、日ごろから同じ考えを持ち続けているので、たとえ本番で予定していたセリフと違うことを言ってしまっても、伝えたい思いは結果的にブレてはいないのだと岡田さんは話す。

(撮影:福田栄美子) (撮影:福田栄美子)

 逆に、現場の空気感でさらにプレゼンテーションの内容が研ぎ澄まされたり、盛り上がったりするという効果も生まれているようだ。足が震えるほど緊張するというが、いざステージに立って大観衆を目の前にすると、不思議と落ち着いた気持ちで、堂々と話すことができるのだという。

 「何だかんだ言っても、ステージに立って、歌ったり踊ったり、お話ししたりと、表現することによって皆さんに思いを伝えているときが一番幸せですし、生きている実感がわきますね」と岡田さんは力を込める。

 なお、選抜総選挙のスピーチに対する向き合い方は、メンバーさまざまだという。

 「たかみな(高橋みなみ)さんに以前、どうやったらそんなにスピーチがうまくなるのですかと聞いたことがありました。そのときに、たかみなさんは考えてないと言ったんですよ。本当にその場の状況でとっさにセリフが出てくると言っていたのがすごく印象的で、天才だなと思いました(笑)。私はそういう天才にはなれないので、事前にしっかり全文を考える準備をしているわけです」

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