インタビューのポイントは3点、「なぜいまNetflixがアジアなのか」「アジア展開における日本の位置付け」「Netflixの今後」である。ここからは今後の配信ビジネス、その中での日本の立ち位置も見えてくるのでないだろうか。
――今回、アジアでは初になる大型カンファレンスを開催しました。なぜいまアジアなのですか?
サランドス氏: アジアはとてもコンテンツが豊かなのです。例えばカンファレンスではインドの作品を多数発表しました。インドには豊かなコンテンツがありますし、非常に際立った才能が多いのです。そしてとても成長している地域であり、非常に大きなマーケットです。オンライン視聴も活発です。ですから、とても重要なのです。そして韓国の作品は韓国でとても重要なだけでなく、アジアで広く人気があります。
もちろん日本のアニメ、そして実写ドラマもです。今回は日本アニメについても非常に大きなニュースを発表できました。
――アジアのクリエテイティブとは、どのようなものなのでしょうか?
サランドス氏: 日本のアニメには、何にも比較することができないほどの価値があると思っています。韓国ドラマやインドのボリウッド映画もです。多様性があり、それぞれに個性的な才能があります。
――Netflix は今後100億ドルもの資金をオリジナル作品に投入するとの報道があります。このうちアジアのコンテンツにはどのくらいの投資をされるのでしょうか?
サランドス氏: われわれの届けるのはグローバルコンテンツなので、そこには区別は設けてないですね。それと競争上の理由もあって、国ごと、地域ごとでは公開はしていないのです。
――それはSFとかドラマとかドキュメンタリーといったジャンルの区分でもですか?
サランドス氏: そうですね。私たちの戦略がばれてしまいますからね(笑)。
――日本のアニメ以外の実写ドラマの展開はあるでしょうか?
サランドス氏: 私たちは先日3つの実写ドラマ制作を発表しました。非常にエキサイティングなチャンスだと思っています。これまでも「宇宙を駆けるよだか」は、日本だけでなく海外でも評判を獲得しました。今はよいドラマを見つけて、それがどれだけ視聴者に関心を持たれるかを見極める必要があります。今後も日本の視聴者の様子をみながらドラマも広げていきたいと思います。
――そうした作品は日本の国内向けなのですか。それとも他のアジアやさらに世界にも向いているのでしょうか?
サランドス氏: 両方ですね。私たちは日本ドラマが日本に向けてより重要だと思っています。「テラスハウス」は非常に成功しましたし、アジアでは「深夜食堂」が成功しました。一方、アジア以外で受け入れてもらうのは難しいところもあります。
現在制作を進めている3作品は、当初の作品とはずいぶんテイストが異なっており、新しいチャレンジをしています。これらにとても自信を持っています。
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