中国の宇宙産業というと、国家による大規模プロジェクトのイメージが強いが、ベンチャー企業の数も急増している。その変化点となったのが14年に宇宙産業(特に商業打ち上げサービスと観測衛星)に対して民間資本を流入させる方針を政府が発表したことだ。17年時点で60社と言われていた企業数は、現在80社とも100社とも、それ以上とも言われており正確な数は把握困難だ。
例えば、小型ロケットを開発するベンチャーだけでもOneSpace、LandSpaceなど多数存在している。北京に本社を構えるOneSpaceは今年8月に資金調達を発表。15年8月以来、これまでに100億円以上を調達しており、高度200〜1000キロメートルまで到達する「OS-M」など複数のロケットを開発中だ。中国の宇宙ベンチャーの動向には今後ますます注目だ。
過去10年間で30を超える国々が宇宙ビジネスに投資をしていると言われている。その顔ぶれは米国、ロシア、欧州、日本などの宇宙先進国にとどまらず、拡大が続く一方だ。その象徴とも言えるのが政府系宇宙機関の創設である。18年はルクセンブルクやオーストラリアなど新しい国々で宇宙機関が発足した。
9月に発足したルクセンブルクの宇宙機関は特徴的だ。通常、宇宙機関は自らが直接研究開発やミッションを行うが、同国の宇宙機関は経済産業省の傘下で、新たな宇宙ビジネスイノベーションを加速させるためのさまざまな枠組み設計、起業支援、企業間の協業促進などを主眼に置いており、別途1億ユーロ規模の宇宙ファンド創設も発表されている。こうした新しい国々は今後の宇宙ビジネスで大きな役割を果たしていくことが想定される。
以上が18年に起きた主要な世界の宇宙ビジネストピックだ。今年は日本の宇宙ビジネスでもさまざまな動きがあった。
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