「確かに、自分の地元はヤバいと思っているけど、地域再生そのものには興味がない」という方もいるだろう。実はこの本で書かれているのは、地域のことだけではない。事業やビジネスに対する向き合い方、仕事の心構えに関しても大いに学ぶべきエッセンスが詰まっている。
例えば、物事がうまくいかなくて落胆していた主人公が、母親に言われた言葉が以下である。
「落ち込んでいるときに落ち込んだ顔をしていたら、誰もあなたと仕事なんてしたくなくなるわよ。おじいいちゃんが『落ち込んだときほど、意味がなくてもいいからとりあえず笑ってろ』ってよく言ってたわ」
これは著者の実体験なのだという。ある商店街会長に「落ち込んでますという顔をするのではなく、笑い飛ばすやつが明日は成功するんだよ」と掛けられた言葉が今でも心に残っているそうだ。
この考え方はどんな仕事においても通じるだろう。暗い顔をした人、あるいはすぐに愚痴やネガティブなことを言う人とは、一緒に働きたいと誰も思わないはずだ。
本書にはこうした仕事の原理原則や行動規範、あるいは精神的支柱となるような“名言”が随所に散りばめられている。加えて、きっと失敗するであろう駄目な組織の典型なども書かれていて、地域再生にかかわりのない人であっても、自分自身の仕事や会社など身近なものに置き換えて読み解くことができる。
年末年始のこの時期だからこそ、生まれ育った町を思い浮かべながら本書を読んでみることをおススメしたい。
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