そんなアツすぎる人がゆえ、スポ根的精神論へと傾倒してしまっている。それを如実に示すのが、以下のような名言の数々だ。
「正義は我にありだ」「町工場が夢を見て何が悪いんだ」「お前が信じる道を行きゃいいんだ」「徹底的に泥臭くやってみないか」「どうか同じ夢を見てくれませんか」
「ああ、こんなカッコいいことを言って、社員を鼓舞する社長のもとでオレも働きたいよ」と感じる技術者の方も少なくないだろう。いつかはオレもこんな感じで、社員や部下に語りかけてみたいと思う経営者や管理職の方もいるかもしれない。
ただ、大変申し上げづらいのだが、このあたりこそが「下町ロケット」というドラマの最もマズいところだと思っている。いくらエンタメ作品とはいえ、ブラック経営者やパワハラ上司の背中を押す「根拠なき精神論」をこれでもいいかというくらい美化してしまっているからだ。
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